着物の達人講座

『着物の達人講座』 八 「さあ、着物を着てみよう」

 着物を着る時に必要な物を一番下(肌に近い物から並べると次のようになる。

 ① (着物の時は肌着も和式で揃えたい。褌はいろいろの形があるが普通は越中褌と呼ばれている物がお勧めである。割と入手しやすいし、価格も五〇〇円前後から千円以下で小間物屋さんや、呉服屋さんで買える。 別項で詳しくお話しをするが、褌は着物の時にとても都合がよいすぐれものである)

 ② ステテコ(足捌きは良くなるが、筆者はあまりお勧めをしない。)

 ③ 肌襦袢(晒し木綿又はガーゼの物をお勧めする)

 ④ 長襦袢(半襦袢でも良い。江戸時代には殆ど半襦袢であった)

 ⑤ 平絎(ひらぐけ)長襦袢や長着を止めるための細帯。腰紐でも良いが、平絎は約6センチ前後と腰紐より巾が広いので食い込まず、苦しくない。正絹のものなら滑べりにくいので着崩れも防げる。 着慣れてくると平絎も腰紐も使わない人が多い。

 ⑥ 長着(俗に言う着物の事。羽織丈と比べて長いので長着という)

 ⑦ 角帯、厚地に織られた巾約9センチ、長さ約4メートルの帯、博多献上帯など色柄によっては浴衣から紋付まで殆どの着物に使える物が有る。最初の一本は角帯をお勧めする。その他、錦紗地の絞りなど薄地の大幅の生地に絞りのカジュアルな兵児帯も有る。)

 ⑧ 羽織(文字通り長着の上に羽織り、羽織紐で止める。外出や改まった訪問の場合には必須である)

 ⑨ 羽織紐(羽織の前を止める組紐。丸組紐と平打ち、無双と呼ばれる貴石などを使った物も有る。

 前記の物がそろったら着付けに取り掛かる。が、その前に必ずしなければならない事がある。先ず手と体中の首を綺麗にする事である。襟首、手首、足首は一番着物と擦れ合う、一番汚れやすく、汚れが取れにくい処である。手首は石鹸で良く洗い、襟首、足首は蒸しタオル等で良く拭く。

 着物はTシャツのように簡単には洗えない。洗い張りをして仕立て替えると数万円位はかかる。丸洗いでも数千円は必要だ。出来るだけ汚さない様に着ることが肝腎である。また、汚れたら出来るだけ早く悉皆屋さんに手入れをお願いすることだ。新しければとれるシミも古くなると取れなくなる。 すべての首が綺麗になったらいよいよ着付 けを始める。その前に男の着付けで一番肝 心なことをおさらいする。

★帯の居処

 男の着物は帯一本で止って居る。着物姿は帯の居所ひとつで全てが決まると言っても 過言ではない。先ず、正しい姿勢をすること が第一であるが、それと同時に正しい居処に 帯を締めることが着物姿の基本である。では、 何処にどの様に帯を締めれば良いのか。

 帯は「腰骨の処に締める」と言われるが、腰骨が何処にあるか解らない。実際には腰骨という物は存在しないそうだ。

 帯を締める居処(帯位置)を説明する。

 ① 椅子に浅く腰をかける。

 ② 足と体が股関節で直角となる。

 ③ 左右の足の付け根、股関節が帯の下端に

 ④ 背中を後に思い切りそらせた時、くの字になる。その一番窪んだ処が帯の上端になるように帯を締める。当然前が低く、後が高い。お相撲さんの廻しと同じである。人間の体でどんなに体を動かしても「相撲を取っても」一番動かない所である。

★着る時の前準備

 ①着物を着る時には直接畳や床の上に置くと思わぬ汚れや、埃が付く恐れがある。出来るだけ多当紙(衣裳敷き)を敷きその上で着る。

 ②左手が届く位置にイスの背を自分の方に向けてて置く。このイスの背に腰紐や平絎、帯などを掛けておき、しゃがまなくても手が届くようにしておく。

 ③姿見、出来れば全身が映る物を用意する。

 ④帯は片側がかがって有るものは締めた状態で輪を下に、縢って有る方が上になるように、縢って無い袋状のものは柄を見て上下を決める。帯をしめた状態でかがって有る方を上にして右端から50㌢くらいまでを縦半分に折り、折り癖をつけておく。この細い方を小手という。反対側の幅の広い方を垂れという。

★準備ができたらいよいよ着てみよう

 ①褌を付ける。

 ②ステテコをはく。省略しても可。

 ③素肌に肌襦袢を着る。 丸首のTシャツ等は衿もとから見えるので脱いでおく。前を簡単に打ち合わせる。腰紐や平絎は使わない。

 ④足袋を履く 足袋を履く時にはしゃがんで立て膝の姿勢になり足袋を履いて小鉤(こはぜ)を止める。着崩れる事が有るので必ず長襦袢や長着を着る前に足袋を履く。

 ⑤長襦袢を着る。

 ⑥長襦袢に袖を通さず、肩に羽織る。着物も長襦袢も羽織も一旦肩に羽織って着る。 左手で下前の衿を持ち、右手を肩山をなぞるようにして右袖に通す。 左手も同様に右手で上前の衿を持ち、左手を肩山をなぞるようにして左袖に通す。 左右の袖口の肩山の先を摘み、左右にずら しながら背中心を合わせる。 長襦袢の背縫いの線と背筋が合っている事、 裄が左右同じであることを確認する。

 ⑦上半身を前一五度位に前傾し、両肩を竦め、 両手で上前下前の衿先を持ち、両腕を伸し て開き、身丈を合わせ、下前、上前の順で打ち合わせる。

 ⑧左手は懐手をして下前衿先を持ち、体を包 み込むようにして下前襟先を左脇に構え、右腕は伸ばし、右脇に体を包み込むように打ち合わせる。

 ⑨右手、手首の内側で上前の衿先を抑える。

 ⑩左手を懐から出し、平絎を取り、右手先に 渡し、両手で平絎を持ち、平絎で長襦袢を抑えながら、後ろで左右の手を持ち替え、平絎を交差させ、体の前迄廻し、中心を避け、左右どちらかに少しずらして結ぶ。 結び目は解けないようにひっくり返して置く

 ⑪一旦前傾姿勢を戻し、襟元を整えて、上半 身にゆとりが有る事を確認するために長襦 袢の左脇と平絎の間に左手の親指を入れ、 体を右側に反らせる。

 ⑫反対側も同様にする。

 ⑬一五度の前傾姿勢で背筋のゆとりは確保できたと思うが再度確認の為背縫いの平絎の上部を摘み上に引き上げる。

 以上で長襦袢は完成である。 次は長着を着る。

 ① 長襦袢の時と同様に肩に羽織る。

 ② 左手で下前の衿元を持ち、右手で長襦袢の袂を持ち、長着の肩山に沿って袖を通す。

 ③ 左手も同様にする。

 ④ 長着と長襦袢の袖口を合わせ、長着の左右の袖口の肩山の先を摘み、左右にずらしながら長襦袢、長着の背中心を合わせる。

 ⑤ 上半身を約一五度位に前傾する。

 ⑥ 身丈を合わせて、下前、上前の順で打ち合わせる。

 ⑦ 長襦袢と長着の袖の間から左手を懐手をして長着の褄先を持ち、体を包み込むようにして体の後ろ上方に引く。同時に右手も体を包み込むように体の後ろ上方に引く。

 ⑧ 右手の手首内側で上前の衿先部分を押さえ、左手を出し帯を取る。

★帯を締める

 ①手先を右にして、左手で帯を取り、小手先 から約50センチ位の処を縦半分に折った小手の輪を下にして右手に渡す。左手も持ったままで滑らせて左右両手で両脇に構え、帯の居処に帯を合せる。

 ②帯で長着を抑えながら、左右の手を後ろに 回し、小手先上に出して帯を交差させ、左右の手を持ち替える。

 ③小手は輪を下にして左脇に構え、握り拳一 つ分位小手先を残して、小手を下、垂れを上にして交差させ、軽く締める。

 ④垂れをひと巻きめに重ねて二巻き目を巻き 軽く締める。 三巻目は左腕を約45度に開いて垂れを親指に引っ掛け内側に折り返し、三巻目を巻く。

★帯を締める

 ①小手を背中心位まで引き出す。

 ②引き出した小手に垂れを被せ、下から上へと引き抜き、結び位置は帯の上端より上の位置で一結びする。

 ③軽く締め、小手先が時計の二時方向を向くように小手をを折り返し小手に垂れを被せてもう一結びする。要は小手の方が細く、垂れの方が幅が広いだけで「固結び」の変形である。これで『貝の口』は出来上がりである。注意点は、小手を折り返した時、小手の折り目が皺にならないように。結ぶ時には垂れが皺にならないように決して強く締めない事。出来上がりは垂れが十時方向、小手が二時方向を向くように。垂れは短く、小手は結び目より一握り半位の長さになるように。である。

★袴の着け方 袴下の帯結び一文字 袴を履く時には帯は一文字に結ぶ

 ①手先を右にして、左手で帯を取り、輪を下 にして小手先から約35センチ位の処を右手で掴む。

 ②左右の手で帯を掴み、通常の帯の居処より 2~3センチ位高めに合わせ(人各々の好みにも依るが、袴を着ける場合は帯位置を袴の丈に合わせて、着流しの場合より2~3センチ高めにする場合がある。)

 ③帯で長着を抑えながら、左右の手を後ろに 回し、背中心で小手の輪を下にして交差さ せ小手先を帯の上端の上に出し、帯を三廻 し巻く。

 ④背中心まで小手を引き抜く。

 ⑤垂れに小手を巻き付けるようにして小手を下から上に引き抜き、帯の上端より上でしっかりと締める。

 ⑥帯が緩まないように小手と垂れを持って小手が上、垂れが下向きになるように捻る。

 ⑦垂れ端から約20センチ位の処を下側にすだれ巻きに巻く。結び目の位置が中心に決まらない時にはすだれ巻を廻して調整する。

 ⑧すだれ巻きに巻いた垂れの中心を一山半(S字型になるように)に掴む。

 ⑨小手を垂れに被せるように巻き、下から上に引き抜く。

 ⑩小手は背中心、真下になるように捻り、帯の一番下に差し込み、帯の下に引き出す。小手の長さが余ったら折り返し、帯に挟み込む。結んだ一文字は帯の上端の上に有る事を確認する。

 ⑪垂れは左右方向水平、前後方向は後ろが前より僅かに高くなるようにする。

★袴を着ける

 ① 袴はズボンのように股が分かれた「馬乗り」型と、スカートのように股のない「行燈」型が有る。用途としては激しい動きをする場合は馬乗り、その他は行燈でも見た目には余り変わりがない。此処では馬乗り型を説明する。

 ②前記のように帯を一文字に締めたら、長着と長襦袢の裾の背中心を持ち、下から上に帯に挟み込み裾を紮げる。

 ③襞の数が多い方、付いている紐「前紐」が 長い方を前にする。

 ④鏡と平行に袴を置き、左右それぞれに筒口を広げ襠を挟んで左右の足を入れる。その時袴を踏まないように、また片方に両足を入れないように。

 初心者の為のクリップを用いる方法を説明する。

 ①女性の着付けに用いるクリップを3個用意する。

 ② 両手で袴の前身頃の上を持ち、帯の上端(礼法の流儀によっては帯より1~2センチ下げて)に合わせ袴の前身頃の中央をクリップで止める。

 ③帯に合わせて前身頃の左右をそれぞれクリップで止める。

 ④前紐を持って両手を後ろに回し、結んだ帯の一文字の上で交差させ、二度紮げてしっかりと締め、左右に交差させ持ち替える。

 ⑤右手に持った前紐を右脇の帯の下端で右手が下、左手に持った前紐を上にして交差させ、手を持ち替える。

 ⑥左手に持ち替えた前紐は帯の下端に添って折り返し、帯の下端に添って後ろに回し、帯の結び目の下で結ぶ。

 ⑦後ろ身頃の腰板を持ち、一文字に結んだ帯の上に乗せ、袴のへらを帯の一番奥に挟む。

 ⑧両手で後紐を前中央の前紐の上に重ね一番下に通してひと結びする。

 ⑨結んだ紐を垂直になるように捻る。

 ⑩下に垂れた紐は下側に折り返し、結び目がセンターに来るようにしてさらに半分に折る。

 ⑪上側の紐は上側に折り返し、結び目がセンターに来るようにしてさらに半分に折る。下側の紐に被せて一結びする。

 ⑫要は蝶結びの変形である。長い紐を折り畳んで結び上がりが7~8センチにるように(高齢者は少し小さめに結ぶ)折り込んでいるだけなのである。下側の紐は下側に、上側の紐は上側に、上は上、下は下と覚えれば簡単である。

 ⑬最後に仮止めをしたクリップを取る事を忘れないように。

★羽織の着方

 ① 長着の時と同様に肩に羽織る。左手で右前の衿元を持ち、右手で長襦袢、長着の袂を持ち、袖を通す。左手も手を持ち替え同様とする。後衿を半巾に折る。袖口肩山部分を摘み左右にずらしながら背中心を合わせ、長着の着の袖口も合わせる。

★羽織紐の付け方

 羽織紐には丸組と平打ち、無双、マグネットの付いた簡便な無双紐等が有る。一般的には丸組の物の方が格が高いとされている。無双は趣味的要素の強いものである。

 羽織紐は乳(羽織の胸の辺りに付いたループ)に羽織紐の壺(取り付け用のループ)を通し、さらに羽織紐を二つ折りにして壺に通す。

★羽織の紐の結び方 壱 丸組

 ①羽織紐は壺から五~六㎝位の処で左右紐を交差させる。

 ②右前の紐を上にして交差させた場合を説明 する。

 ③右前の紐を上にして壺から約5㎝位の処で交差させたら、その紐を右に回して輪を作り、左前の紐の下に重ねる。

 ④左前の紐は左に回し、輪を作って右前の紐の下に重ねる。重なり順は上から右前壺側、左前壺側、右前房側、一番下が左前房側となって居る筈である。尚、房側は右前が左、左前が右に来るよう交差されて居る事を確認する。

 ⑤ 房側の二本の紐を横並列にして、二つ折りにし、房を残して先程作った輪に通す。

 ⑥房の高さ、左右の壺からの長さ、など短い所を少し引いて調整し、バランスを合わせる。

★羽織の紐の結び方 弐 平打ち

 前記、丸組の項と全く同じであるが、⑤で「二本の紐を横並列に」と有るが、平打ちの場合は二本を重ねる。平打ちの方が解りやすいので、平打ちでお稽古をする事をお勧めする。

★羽織の紐の結び方 参 二重結び

 紋付きなどの五〇㎝位以上の長めの羽織紐は二重結びにする。

 ①壺から一〇㎝位の処で左右を交差させ左親指で押さえる。

 ②押さえた親指に右前房側を右巻きに二週巻き付ける。

 ③押さえた親指に左前房側を左巻きに二週巻き付ける。

 ④左手親指を抜き、左右房側の二本を並列にして二つ折りにし、親指を抜いた輪に通す。

 ⑤房元まで引いたら全体のバランスを取って長さを調整する。

★羽織の紐の結び方 四 蝶結び 丸組、平打ち

 少しカジュアルでお洒落な結び方である。歌舞伎役者はTVのニュースや番組出演の時も普段は殆どこの結び方である。注意してみて下さい。ごく普通の蝶結びである。少し細身の丸組(直径5~6㎜位、長さ30㎝~35㎝位)か、平打ちでも良い。余り重量感の無い物をお勧めする。

★羽織の紐の結び方 五 変わり蝶結び 丸組、平打ち

 細身の丸組で長さの長めの物 40㎝以上の物をお勧めする。

 ①左右の羽織紐の壺から5㎝位を残して房の方を内側にして二つに折りにする。

 ②右前を上にして二つ折りにした紐を交差させる。

 ③二つ折りにした右前の紐を外側から内側と一巻きする。

 ④二つ折りにした左前の紐を一巻きする。

 ⑤軽く締める。

 要は二つ折りにした紐を固結びにするのである。この時強く引き締めず、軽く形を整える程度にする。

★もし着崩れたら

 ①長襦袢・長着の衿元が崩れた場合

 長襦袢や長着の衿元が何故はだけるのか?衿元がはだける原因は帯が上がってしまっているからである。衿元がはだけた場合、上前の衿先を下方向に引っ張っている人を見かけるが、衿先を下方向に引っ張れば裾が広がり、かえって着崩れてしまう。衿を下方向に引張ったら脇も下方向に引張らなければバランスが取れない。衿元を直したら必ず帯の前に親指を入れ、グッと下げて本来の帯の居処に戻す。着物を着た時は「上ゆったり」 「裾すぼまり」が基本である。何度も着物を着て慣れてくれば着崩れも少なくなるし、着崩れても直ぐに直せるようになる。

★長襦袢の衿元が少し乱れたら

 ①長着の上前を端折り帯に挟む、下前も同様に端折り帯に挟む。

 ②左手は長襦袢の袖から内懐に入れて懐手をして下前の衿元を持つ。

 ③右手は帯下から下前の衿先を持つ。

 ④左右の手で衿を上下させながら衿先を体の後ろ、上方向へ引き、体を包み込むようにして下前の衿を整える。その時多少深めに打ち合わせると良い。

 ⑤右手は帯下から長襦袢の上前衿先、左手は長着の袖と長襦袢の袖の間から手を入れ、衿元を持つ。

 ⑥左右の手で衿を上下させながら衿先を体の後ろ、上方向へ引き、少し深めに打ち合わせ、上前の衿を整える。

 ⑦長着は裾の端折りを降ろし、同じ要領で衿元を整える。その時下前、上前とも少し上に引き上げ、裾が少しすぼまるようにする。 

 ⑧最後に帯の前に両手の親指を入れ、グッと帯を下げる。

★ではどうしようもなく着崩れてしまった場合はどうすればいいか

 本来なら帯を解いて締め直すのが位置bんのぞましいが、床が汚れていたり、場所が狭かったりと、締め直すことが難しい場合がある。その時には。」

 ①先ず帯(長襦袢にひらぐけを使ってる場合はひらぐけも)をガバッと胸の辺りまで上に持ち上げて緩々(天才バカボン)の状態にする

 ②体を一五度位前傾姿勢にする

 ③次に左手を長襦袢の袖口から内懐に入れ、 長襦袢の下前を持ち、右手を長襦袢の袖と着物の袖の間から内懐に入れて長襦袢の上前を持って衿元を確かめながら、体に添って後ろに引く。少し深めに衿を打ち合わせる

 ④次に左手を長襦袢の袖と着物の袖の間か内懐に入れ、長着の下前の襟先の少し上(帯を締める居処あたり)を持ち、右手は長着の上前の同じ処を持って長襦袢と同じように体に添って後に引く。下前も衿を少し深めに打ち合わせる。平絎けの前に両親指を入れ帯の居処まで下げる

 ⑤長着も同様にする

 ⑥帯も前に親指を入れ帯の居処までグッと下げる。最後に両脇縫を摘んで下すぼまりになるように少し下に引張る。左右とも褄を少し上の方に引き上げると裾すぼまりで綺麗な形になる

★着崩れを防ぐためのウルトラCをご紹介する。

 『衿止め』である。長さ45ミリ位の、金属製のS字ピンである。呉服屋さんや小間物屋さんで手に入る。使い方は、下前の衿と上前の衿が交差し所の下前の半衿表の縫い目にピンを刺す。上前の半衿の裏の縫い目に反対側のピンを刺す。これで絶対に衿ははだけない。長着にも使っている人を見かけるが、長着に使うと衿の膨らみが損なわれるのでやめた方が良い

目次拾壱次のページ